オーストリア南部 シュタイヤーマルクのワイナリーTEMENT

お城を後にし、次はスロベニアの国境近くにあるワイナリーTEMENTに向かいます。

このあたりは余計なものはなにもなく、丘と葡萄畑と可愛らしい村がひたすら続きます。本当に絵本の世界そのものです!


(ワイナリーからすぐ近くはスロベニアとの国境!)

TEMENTさんのワイナリーも3代目の方が案内してくださいました。


オーストリアの葡萄畑はどこも整然と葡萄が並んでいてとてもきれいですが、ここの畑は特に几帳面な印象です。畑だけでなく整然と並んだタンクや樽もピシッとした几帳面さを感じさせます。

ワインは白を中心にソーヴィニョンブランにもっとも力をいれて作っているのですが、大樽で42か月間熟成、というのは驚きでした。
普通、白ワインはデリケートなのでフレッシュさとフルーティーさを保つためにできる限り酸化させない還元的な造りをする(=ステンレスタンクを使う)ところが多いです。
その辺は葡萄のもつチカラとのバランスの兼ね合いで、シャルドネなど少し樽の風味をつけたい、酸を柔らかくしたい、など様々な理由から樽で醗酵、熟成させることもあります。

ソーヴィニョンブランという品種は世界中にありますが、どちらかというと繊細な葡萄でフレッシュな酸味を活かした造りをするところが多いと思います。

TEMENTさんのところは「ステンレスタンクだけ」というものもあるし「樽と両方使う」というものもありますが、それにしてもそのソーヴィニョンブランを42か月も樽に入れておけるとは!!
そして、その樽の影響や酸化を全く感じさせない繊細でフレッシュなワインなのです。
「それぐらいの酸素が必要」とワインメーカーのArminさんはおっしゃっていました。

「そのくらいの酸素が必要なぐらいのパワフルな葡萄が栽培できる」ことが一番びっくりです。この土地のテロワールなのでしょうか。

そして、このファミリーのもつ「几帳面」な雰囲気もきっとテロワールの一つに違いありません!

TEMENTさんのワインは日本でも買うことができます。高価格レンジのワインほど瓶詰後も時間を必要とするようで、まだ時期がきていないワインはやや還元的なことがあると思います。

今回オーストリアのワイナリーをまわっていて思うのは、世代交代の時期であること。
お父さん世代の「樽を使ったパワフルなワイン」から、息子世代の「上品で繊細でスタイリッシュなワイン」に移行中という印象です。これからますます楽しみなオーストリアワインです(*'ω'*)