消費しない国、ニュージーランドの生活(人のつながりとサバイバル能力)

ニュージーランド(以下NZ)では、ゴミが殆どでない話を書きました。

日本で暮らす私は日常生活で消費するすべてのものを外で買ってきます。
でも、NZの人たちは外であまりモノを買わない。
理由は・・・

1.物価と税金が高い。
2.新しいのを買うよりも修理代の方が安い(もしくは自分で修理できる)。
3.買いたくなるような魅力的な商品がない。
4.物々交換が発達しているので買う必要がない。
5.自分でつくったり、修理したり、採ってきたりなど解決能力が高い。

1については、NZの消費税は当時12・5%(現在は15%)。
物々交換は、高い消費税を払わなくて済む知恵でもあります。

家庭菜園やハンティングや釣りをしたり、また人と交換しあったりして生活がまわっていきます。

人とのつながりの中で、買わなくても貸し借りをしたり、作り方を教えてもらったり、持ってる人知ってるよ、という情報がまわってきたりして、日本ほどなんでも買ってこなくてもすみます。


(料理を持ち寄ってお庭でホームパーティ♪ NZの娯楽のひとつ)

「エコな暮らし」というのは、消費しないだけでなく、自分で何でも作れる能力や知識、そして人とつながれる能力が必要なのです。
また、サービスも全然充実していません。
電話一本でコトがすむことなんてありえません。
原発がないのに、PCをはじめとする家電製品が普及しつつあったため、停電はわりと頻繁にありました。
一度停電になったら、いつ復旧するのかもわかりません。
ほかにも、水が出ないとか、トイレがこわれたとか、そういったトラブルにかけつけてくれるサービスもなく、自分でなんとかするしかありません。

彼らはものすごく「サバイバル能力」が高いのです。
私がステイしていた家は、ホストファーザーが自分で建てた家です。
家一軒ぐらい建てられる能力は、珍しいことではありませんでした。
水道管や電気の配線などの技術もあります。(でもプロではなく職業は別にありました。)
これで災害で家が壊れても、自分で建て直すことができます。政府や公的援助をまつ必要がありません。近所の助け合いネットワークも充実しています。
このような能力が備わっていることはNZでは珍しくありませんが、そのことによる生きる自信のようなものが、彼らの幸福度に関係していると思います。

とにかくモノもないし、人手もない中で、国を維持するのに必要なのは無駄に「消費しない」ということだったのです。
日本にいる私は、消費してナンボ。「修理するより新しいのを買った方が安い」という現実の中で生きています。日本はとにかく国民が消費しないと国が維持できない!とあおられます。

そんなエコな国、NZにも、やはり時代の波(グローバル化)がやってきて、2007年あたりから様相が変わり始めます。

つづきは、また明日!