ギリシャのワインとサントリーニ島のワイナリー巡り♪

ギリシャのワインとサントリーニ島のワイナリー巡り♪

ギリシャは世界中でも一番古くからワインを造っているエリアのひとつです。
ここサントリーニ島にもワイナリーがいくつかあります。

ギリシャのワインを飲むのは初めてですが、想像以上に美味しいモノでした。
シンプルで透明感があってきれいな酸があって、余韻が長い。
そして、ギリシャにしかない地元の品種がたくさんあります。

ワイン単体で飲むとピンとこないものも食事に合わせると本当によく合います!やっぱりその土地のワインにはその土地の料理ですね。
そして、現地の気候の中で飲む、というのがおそらく重要で、旅先で美味しかったワインを日本に持ち帰って飲むとあれ??なんか印象が違う、ということがよくあります。

ギリシャの料理もほとんど初めてといっていいぐらいなのですが、ヨーグルト、チーズなどの乳酸系の酸味が特徴と思います。
そしてたっぷり使われているオリーブオイル。
味付けの基本は塩とレモン。
これらの食と合わせるとワインがとたんにイキイキしはじめます。

サントリーニ島のワイナリーをまわろうとツアーなどを探したのですが、どこも1週間先ぐらいまで予約がいっぱいでダメだったので、地元のローカルバスで行くことにしました。

ワイナリーが3か所ぐらい集まっている場所がありました。

Argyros Estateここではアポなしでいったのにも関わらず、すごくたくさんのワインを試飲させてくれて、熱心に説明してくれました。

サントリーニ島で楽しみにしていたのは、ぶどう畑を見ること。

ここの仕立ては世界の中でも特殊なものなのです。
VSPという仕立て方がもっともメジャーなのではないかと思いますが、ここは葡萄の樹をぐるぐる巻きにして地面を這わせています。なぜなら強風すぎて^^;普通に仕立てると樹が折れてしまうからなのです。


さらにぐるぐるに巻いた樹の中に新梢を入れて巻いていきます。このような仕立てにすることによって、例の強風から守ることができるのですね。
強い風、強い日差し、少ない雨、火山性土壌などの特徴のほかに、このサントリーニ島は「フィロキセラ」という害虫にやられていません。
フランスをはじめとするヨーロッパのワイン産地ではこの害虫でブドウ畑が壊滅寸前まで破壊され、最後に見いだされた解決策が「アメリカの台木に接ぎ木する」というものでした。(フィロキセラがアメリカからもたらされたものであるため耐性があった)
というわけで、現在のヨーロッパのワイン用ブドウの樹は台木に接ぎ木されたものが多いのですが、ここではフィロキセラにやられていないため、昔からの葡萄がそのまま残り自根で育っているのです。

そして、この自根であることがワインの味にかなり反映されるのではないか、といわれています。

試飲したワインはどれもきれいな造りで余韻が長い。左から2番目のAtlantisは酸を活かしたフレッシュでアロマティックなつくり。そして右から2番目のワインはAssyrtikoというサントリーニ島にしかない品種をフレンチオークで醗酵、熟成させ複雑さを出したもの。どれもおいしかったのですが、この2本が特に気に入って購入しました。


Art Space Winery

ここのワイナリーは美術館とギャラリーが一緒になったワイナリーでした。昔使っていたという道具などが博物館のように展示されて、ここの人が案内して説明してくれました。

ここのワインのつくりは、グラビティ(重力)を利用したものでポンプを使わないそうです。(ポンプを使うと果汁が酸化します。重力でゆっくりやさしく果汁を扱うことでフルーティさを損なわないワインづくりができます。)

オーガニックやろ過しない、などこだわりのワインづくりをしていました。ここの白ワインは24時間のスキンコンタクト(葡萄の果皮をジュースに浸漬する)をしているとのことで、白ワインでも渋みがあります。ギリシャのワインにはわりとこのような渋みのある白ワインがありました。渋いといっても緑茶のような上品な渋みです。

ここの「ニクテリ」という作り方のワインを1本買いました。
「ニクテリ」というのは、品種でもワインでもなく「作り方」の名前で、「ニクテリ」を名乗るには、樽醗酵・樽熟成をしていること、アルコール度数が14度以上であることなど規定があるそうです。

Canava Roussosこちらも昔からあるワイナリーだそうです。白、ロゼ、赤の3種類を試飲。

どれもシンプルだけれど余韻が長い。
ロゼというのは、フレッシュで果実味があるものが多いけれど、このロゼはそういったものはあんまりないけれど、後半の余韻がやたら長い、という面白いワインだったので、このロゼを買いました。


どのワインも古風なつくり。洗練されたワインではないけれど素朴で美味しいです。

ここは屋外に劇場がありました。
ここでワイン飲みながら演劇を鑑賞するなんて素敵ですね。

サントリーニ島のフィラの街からバスで15分ぐらいですが、景色がずいぶん変わります。
石造りの街に、サボテンがたくさん咲いていました。