イマドキの就活事情がショーゲキ的だった!
先日、就活セミナーなるものを受けた。これがショーゲキ的な内容だった。
「企業に採用されやすい人物像というものがあるので、そういう人物になるよう努力しましょう。そういう人物に見えるよう練習しましょう。」というのが主旨、ということに本当にびっくり。
企業がほしい人物というのは、よく言われる「コミュニケーション能力が高い人」。では、コミュニケーション能力が高い人とはどういう人をいうのか?
というわけで、性格テストみたいなものをする。
○か×で答えて、すべてに○がつくのがよく、すべての項目で8点から10点(10点満点、計30点)を目指しましょうだって。その中に次のような項目があった。
◆一人暮らしは苦手です。
◆一人で食事したり遊ぶことはない。(てゆーか、この質問自体どーなの!?)
私なんて一人大好きなので、こういうのは×となる。(というかほとんどの質問で×なのであった)
いや、人と一緒もいいですよ?楽しいですが、一人も好き。
一人暮らしが得意じゃだめなの?一人で遊んだり食事したりするが好きだとダメなの?
皮肉をこめて先生に聞いてみると「一人よりも人と一緒に遊んだり食事したりする方が好き、という人物が好ましいので、そうなれるように努力しましょうね」だって!
げげ〜〜!!
なんでも人に話して相談して、人の話も熱心に聴き、人から好かれるように努力し、目立ちつつ強く自己主張することはなく、いつも笑顔で元気ハツラツ!
きゃー気持ち悪すぎる!
実際に会社(いや社会)にこんな人いないじゃん。
いやー引くわ。
こんな人が面接にきたら引く。
私の会社にはきてほしくないよ。
そして、面接時のノックは中指で3回とかお辞儀は45度の角度で、とか、まあこういう日本らしい型みたいなのは昔からあるのかもしれない。
しかし、いまはノートとペンを膝の上に置いておくんですって。
は?なんのため?熱心に面接官の話を聴こうとする姿勢アピールだそうです。
私はすごーく昔、中小企業の採用面接に立ち会ったことが何度かある。当時の企業が採用したいのは「募集しているポジションにハマる人。」管理職の採用ならリーダーシップのある人、専門職ならその技術の高い人、接客なら人当りのいい人…という風に、どれだけ優秀でいい人でもそのポジションとしてはちょっと違うかな、ということもある。
会社っていろんな部署があるし、いろんな仕事があって、いろんな人がいる。話をするのが好きとか聴くのが好きとか、苦手なものや得意なものがあって、活かせる部署に配属になるかはわからないけど、補い合って一つの会社だから、全員がおんなじ人物像である必要はないと思うんだけど…。
この講師は大学や高校でも指導しているそうなのですが、社会に出たことのない学生がこういう指導を受けているとしたら、本当に気の毒。
企業に採用されやすい自分物になるために、自分を変えなきゃいけないなんて。それで落ち続ければ就活で全否定されたような気にもなるだろうな。
笑顔や受け答えを練習して、元気ハツラツ爽やかな人物を演じて採用となっても、辞めていく人が多いのは、その人物像を続けていくのも無理なら、会社に入ってみればそんな人は周りにはいないことに気づいてバカバカしくなるからかもしれない。
世の中いつのまにこんなことになってたんだろ…。
そんなタイミングで岡田斗司夫さんが本を出しました。
- 作者: 岡田斗司夫 FREEex
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2014/10/16
- メディア: 新書
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なんてこの世の中に必要とされている本なんだろう!!
そうだそうだ、この本を読んで正気に戻ろう!
一部こちらかも読めます。
https://cakes.mu/posts/7184