幸せを導く人間関係〜NHK Eテレ「幸福学」より〜

2014年1月から4回にわたってNHKEテレで放送された「白熱教室 幸福学」。
昨日に続いて第4回目(最終回)
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第4回目「幸せを導く人間関係」2014年1月31日放送
講師はロバート・ビスワス・ディーナー博士

職場、地域、家庭における人間関係の難しさが私たちのストレス要因でもあるわけですが、

社会的な人の結びつき、人間関係が幸福に与える影響
人間関係から幸せを導くにはどうすればよいのか

これが今回のテーマです。


世代別の人生満足度調査のグラフをみると、若い時は満足度が高く、40代から60代が低く、そしてまたその後満足度は若い世代と同じぐらいに回復する。

40歳〜60歳→人生満足度が低い。子供も難しい年代にさしかかり、仕事の責任も増え、離婚も多くなる。

60歳以上 →ネガティブな感情は少なくなり、ポジティブな感情が多くなり人生の満足はあがる。

高齢は若者と同じぐらい人生の満足度が高いのは受容度が高いからである。
今まで困難を乗り越えてきて逆境に負けない心をはぐぐんできたから、次も乗り越えられるものだとわかっている。

ところがこの調査に関して、残念なことに日本は例外で、日本は年齢と共に幸福度は下がる一方だそうです


内閣府調査 2008年)
↑この図は、私がテレビをみて同じように描いてみたもの。

がびーーーん!この図は結構ショックです。
高齢者が幸せそうに見えない国って、生きていくのが不安になる…。そして、不安というのはビジネスチャンスになるという構造なわけですが。

若い頃がピークで、そこから下がる一方。一度も回復しないまま人生が終わる。
同じく内閣府の調査で、日本の高齢者は家族や地域の結びつきが薄く「近所の人たちと病気の時に助け合う」という割合においては、アメリカやスウェーデンの半分以下という結果で、その人間関係の希薄さが幸福度を下げていると博士は指摘。

キリスト教国においては、教会というのが結構地域を結びつける役割を果たしているんだろうなと思います。みんなそれほど信仰深くなくても、それとは別に交流の場として利用している感じでした。日本は今、それと同じような役割を果たすものがない。自治会とか町内会とかあるけれど、そこには人を結びつける核になるものがない気がします。
オーストラリアのホスピスで働いている看護師が余命2週間の人に聞いた人生で一番後悔していること。ブロニー・ウエア2011年)が番組の中で紹介されていました。

多かった回答は、
・人の期待にこたえる人生ではなく、自分に正直に生きる勇気がほしかった。
・あんなに働かなければよかった
・勇気をだして自分の気持ちを伝えればよかった
・友達とつきあい続ければよかった
・自分が幸せになるのを許せばよかった


自分をより幸せにする方法として博士が紹介したのは…一日の終わりに自分が誰かにした親切を数えること。ささやかな無償の親切。ドアをあけてあげた、道をゆずってあげた、そういうことでよい。そのことが人を結びつける。そう考えることが世の中がよりよくなる。それについて日記につけたり、短い文章を書く。

幸福は伝染するので、幸せな人のそばにいると幸せを感じる。
幸福度ネットワークの調査(ハーバード大学)の結果、幸せは連鎖し、幸福度が高い人同士が結びついている。(不幸な人も同じぐらい固まっている)ことがわかった。幸福な人と不幸な人との違いは、人(親友、家族、恋人)との結びつきの強さであるという調査結果も出た。

また、友達の多様さがポイントで(数は関係ない)、職場、地域、趣味、など多くの違う場所での友達が多いと幸せを感じるとのことでした。

職場や学校などひとつのところにしか人間関係がないというのは、リスクが分散できないですよね。ひとつのところでダメだったら孤立してしまう、というのは危うい。また、幸福な人たちは幸福な人たちで結びついていて、不幸な人たちは不幸な人たちと結びついている(孤立している人も中にいる)という調査結果、結構リアルに怖いと思いました。