ネルソンス&バーミンガム市オケ@ウィーン楽友協会 2015年6月6日
バッハウから電車でウィーンに戻った夜は、今回の旅行で楽しみにしていたネルソンスのコンサート♪
ネルソンスはラトビア出身の今もっとも注目されている若手指揮者(1978年生まれ)のうちの一人。
映像では何度も見たことがあったのだけど、ライブは初めてです。
モーツアルトのバイオリンコンチェルト(KV218)はオケとソロのバランスが美しくすべてのパートの音がきれいに聞こえる完璧な演奏。ネルソンズらしさ満載の洗練されたモーツアルトでした。
バイオリニストはBaiba Skaride(1981年)
ネルソンスと同じく、ラトビアのリガの出身。ネルソンスも彼女も年も近いし同じ都市で音楽一家に育ったようなので、昔から知り合いなのかもしれない。そんなことを想像させる息の合った演奏でした。
ネルソンスの指揮は、一音一音すべての音やテンポに指示を出しているような指揮。
ブルックナー7番は演奏時間が約1時間と長い交響曲なので、3楽章ぐらいまではとてもよかったのだけれど、4楽章あたりからオケも疲れてきたのか金管の音が目立って外れるようになり、ややメタメタに…。
聴いているこちらも緊張してしまう。思わずココロの中で「頑張って〜」と声援を送ってしまうぐらいでした。
音をはずし、テンポもずれて、ちょっとの間違いですべてが崩壊してしまいそうなぐらいの危うさだったけど、なんとか最後まで振り切りました。
終わった後、心なしかネルソンズも「あーあ…」とうなだれて舞台から去ったように見えました。(いや、単に疲れただけかも?)
が、いつまでも続く拍手とコール。
(まあ、「すごくよかった!」というよりは「最後までよく頑張った!!」というエールに近いと思いますが)
ネルソンスも何度もコールに応えながら「ありがとう!!」といった表情になりました^^
ネルソンズは本当に一生懸命、全身全霊で指揮をしていて、その真摯さに心打たれました。ここ数年、来日のライブでみた演奏会といえば、ヤンソンスやゲルギエフなどの巨匠クラスのものばかり。そういう芸術を楽しめるのも至福の時だけど、こういう若さゆえの一生懸命さを見られるのもいいなあ、と思いました。(ティーレマンはもうそこを超えてますし)
また、こういった「一生懸命な時期」がない人は巨匠にもなれませんしね!
そういえば、オーストリアにくる飛行機の中で見たMETのライブビューイングの「トゥーランドット」は、ネルソンスの指揮でした。インタビューの中で「元トランぺッターだったので、演奏者側の気持ちもわかるのが強み」と言っていました。
これからも応援したい指揮者です!